俺の憧れの人はみんなの憧れ。
「竜也君。」
透き通る様な声、凛とした姿。
いつ見ても彼女は綺麗だ。全てが。
「なんですか?さん」
「今日のスケジュール、教えておこうと思って」
「ああ…。有難う御座います」
いつも持ち歩いている手帳を見て詳しくスケジュールを教えてくれるこの人は
俺の…いや俺たち「KAT-TUN」のマネージャーさん。
俺より2つ上。歳の差はあまり無いが俺たちに比べてとても大人っぽい。
「―…で、今日は21時に終わり。」
「21時?―…あの、さん」
「ん?」
「もしよかったら仕事終わりに…「さーーーん!!!」
ー…来た。バカ西…こと赤西仁。
俺がさんを食事に誘おうとしてたのになんだよ…!!
「仁君如何したの?」
「今日さーどっか食事行かない?今日仕事速めに終わるし!」
―…は?いやいや、今俺が言おうとしてた言葉どうしてお前が言うわけ?
「――…別に良いわよ?」
「マジで!?」
「え…!?」
さんって赤西がタイプなの!?
ってか勝ち誇った顔で見てくる赤西がどうしようもなくウザイ…!
「竜也君も行くでしょ??」
「「はい?」」
「後はー…和也君も雄一君も…この際皆で行こうか?
皆誘ってくるわね。」
「ちょ…!待ってさん…!」
赤西の声も聞かずさんは颯爽と楽屋を出て行ってしまった。
さんって本当に鈍感なんだなぁ……。
赤西を見るとその場に崩れていた。
「何で上田?何で亀?何で中丸?…」
そう言って嘆く赤西を次は俺が鼻で笑ってやった。
「まじうぜぇ!上田死ねー!!」
「何、俺とやる?」
そう言って見下すと俺を凝視してやっぱ良いと情けない声を発した。
いつもは堂々としている赤西のこんな姿を見ているのは面白い。(あー、やばい俺ってドS…。)
その時楽屋のドアが開いてさんが入ってきた。
「皆行くって言ってた………仁君?如何したの?」
「なんでもないですよ。行きましょう。さん」
そう言って彼女の手を握り再び楽屋を出る。
握った手にぎゅっと力を込めると
さんは首を傾げて如何したの?と聞いてきた。
本当に鈍感でしょうがない。
「さん」
「何?竜也君」
「覚悟しといてくださいね」
そう言って頬に唇を落とすと顔を真っ赤に染めて何するの!と怒ってきた。
真っ赤な顔で言われても迫力無いけどね。
耳まで真っ赤な君の顔
(少し期待しても良いですか?)