本っ当に梅雨なんて嫌い!!!!!!
「あ〜〜〜〜!!!もうまた雨?!」
6月になって何回目よ!!!と一人キレてたら親友のに「うるさい」って言われた。(こんな冷たい子になっちゃって…)
「だって傘忘れたんだもん…。あ!〜〜♪入れ「入れないから」…酷ッッ!」
「言ったでしょう?私今日宏光と帰るの〜」
「北山先輩とー?いいなぁ〜彼氏持ちは…。」
なんて羨ましがる私を見ては周りが五月蝿いけどね。と鞄を持って立ち上がった。(北山先輩すごくもてるからね)
それでも毎回北山先輩がを助けてるからイジメとかはすごく減ったし、やっぱり羨ましいと思う。
「ばいばい」
「ばいばい〜〜〜」
に手を振ってまた自分の席につく。
しばらくすると北山先輩と1つの傘に入って帰るの姿が見えた。
あの様子だと北山先輩傘忘れたんだろうな。
は人前でいちゃつきたくない人だし。
「幸せそう―――…って傘!!!」
忘れてた…。誰か入れてくれないだろうかと窓から視線を外して教室を見渡す。
残念ながらもう教室に人は居ない。雨の勢いは止む事は無さそうだ。
「ヤダもうどうしよう…。」
濡れて帰るのも嫌だし…。でももうすぐドラマの再放送始まっちゃう!
――しょうがない、か……。
諦めて濡れて帰ることに決めた。
靴を履いて雨の中へと一歩足を踏み出そうとしたときだった。
「ちゃん!!!!」
「!?―――…藤ヶ谷先、輩…?」
腕を掴んできたのは北山先輩の親友、藤ヶ谷先輩。
藤ヶ谷先輩とは、北山先輩の紹介で知り合った。
別に会って話すほど仲のいい人じゃなかった。
話したのだって数えられるぐらいしかない。
「え、如何したんですか・・?」
「あ、…いやその…、傘持ってないの?」
「へ?あ、そうですけど…」
「濡れて帰ろうとしてたの??」
「まぁ…。」
私の答えを聞いた藤ヶ谷先輩は少し眉に皺を寄せた。
如何したのだろう。
「あの、とりあえず先輩。腕、放してください」
流石にずっと腕を掴まれているのは恥ずかしい。
相手が好きな人だと…尚更。
「腕?…あ、ごめんッ」
「あと先輩、私これでも急いでるって言うか…。」
「誰かと待ち合わせ?」
「あ、いえそんなのじゃなくって、ドラマ…。」
「ドラマ?何時から???」
「え、後1時間ぐらいで始まりますけど」
「じゃぁ、送っていくからさ…帰ろっ」
「え!!!!?いや、でも傘無いんで…。」
「入れてあげる」
「え!?」
こうやって2人きりで話すのも恥ずかしいのにそれは流石に恥ずかしすぎる。
「いや、良いです大丈夫です…!」
「ちゃんが風邪引いたらちゃんに怒られちゃうな〜。
それに俺心配で寝られない!」
「で、でも…」
「ね?帰ろ!」
そうやって笑う先輩にとても心臓が高鳴った。
先輩が差し出した手にそっと自分の手を重ねた。
「俺さー北山のメールでちゃんが傘持ってないって知ったの!」
「そうなんですか?」
「うん!だから一生懸命探したわけ」
「なんでですか?」
「ちゃんと相合傘したかったから?」
「え?」
「あ…!(やばい!告白したみたいじゃん!)」
「(え、どうしよう!告白したほうが良い!?)」
結局告白できない