大切で、大好きな幼馴染がいる。

周りの人は彼は何に関しても無関心で表情すら変えない、と言っている。

でもそれは間違い。

彼は微笑んでくれるもの。

それでも周りの人が彼をそんなふうに言うのなら

私だけが見れる彼だってこと?

…それも、嬉しいな。

けどやっぱり、私だけが見れてるわけじゃないと思う。

彼には大切な仲間がいるんだもん。





彼、慧と私はずっと幼馴染。

幼馴染っていうと、慧には雑賀さんとか東堂さんとかがいるんだけど。

私たちはそれよりもずっと一緒にいる。

親同士がとても仲が良くて生まれた時から一緒にいた。

物心ついた時にはもう慧が隣にいて。

物心ついた時から慧は私の大切な人だった。

慧はS・Aって言う学校のトップクラスにいる。

昔からなんでもすぐ覚えちゃってたし納得だけど。

そのせいか、慧といる時間はとっても減って学校でも顔を合わすことが少なかった。

そのため、私は少しでも慧に追いつきたくて日々猛勉強。

寝る間も惜しんで勉強。毎日の体力作りもかかさずやってる。

でもいつもAクラス止まり。

いいなあ、S・Aの人は慧と一緒に入れて。(授業受けないで温室にいるし)


「…一日も早く慧に追いつくために文句は言ってられないよね。…がんばろ!」


よし、と気合を入れる。うん、がんばろう。


「おや、俺に追いつくため、ですか」


「ほえ、…!」


ふいに聞こえた声に肩を揺らしながらもゆっくりと声がしたほうを向く。(今の声は、)

…予想どうりいつの間に来たのか慧がいた。

話すのは疎か顔を合わすのでさえ久しぶりで少し緊張する。


「昼休みも勉強とは、精が出ますね。


「え、え、…?なんでここに」


「少し読書をしようと思ったのですが」


「そ、そうなんだ。あ、私午後の授業あるから」


もう行くね、と立ち上がると慧は徐に足をテーブルの上に乗せた。

えーっと…慧?


「…け、慧、テーブルに足乗せちゃだめだよ…。あと、通れない」


「ああ、すいません。足が長いものですから」


「(そんな爽やかな笑顔で言われても…!)ね、遅れちゃうでしょ?」


「…じゃあ一緒に行きましょうか」


「!…うん!」


一緒に図書館を出て廊下を歩く。

慧と入れる時間がとても幸せ。


、持ちますよ」


「え、いいって、…あ」


図書館で借りた数冊の分厚い本を慧は私の手から奪って持ってくれた。(…かっこいい)

あ、ありがと、と慧を見上げて言うと慧は笑って私の頭を撫でた。


「そういえば、さっきは流してしまいましたが」


「ん?」


はそんなに俺に追いつきたいのですか?」


にっこり。そんな効果音が似合うくらいの笑顔で結構重大なことを聞いてきた。

うん☆そうだよ!なんて言えるはずもなく。

真っ赤な顔を見られない様に俯いた。


「えとえと…慧って言うかS・Aになりたいから一位の慧を目標にしてるって言うか」


「へぇ、何故S・Aになりたいと?」


「え!えっと…(慧と一緒に居たいから、しか理由がない私…馬鹿)憧れ?」


「そうなんですか」


「ソウナンデスヨー」


慧の視線と裏に何か隠れていそうな笑顔が辛い。

長年の想いがばれたらどうしよう…!

は、話を変えなきゃ!


「…あ、あれ!(声裏返った!)慧、そう言えば温室ってこっちだよね!もういいよ」


びし、と温室のほうを指さして慧を見つめる。

慧はにっこり笑ったままこっちでいいんです、とまた前を進んだ。

意味不明でぽかん、と慧を見つめたままでいると何してるんですか、と声をかけられた。


「や、だって温室、」


「少し俺にいい案があるんです」


そう言って慧はまた前を向いて進んでしまった。

流石に置いて行かれるのは嫌なので駆け足で追いかけると慧はまたにこりと笑った。(今日は笑顔がよく見れるなあ)

なんて思ってたら見つめすぎたのか「は俺が好きなんですね。とっても」なんて言い出すから思わず

華園さんみたいに慧に「教室にどっちが早く着くか」なんて言って走り去ってみた。

当然負けたけどあのままだったら顔が赤いの丸見えだったから結果オーライ。走ったおかげで授業も間に合いそうだし。


「じゃあ慧、ありがと」


ん、と手を伸ばして本を返してもらおうと思ったら慧は手を高くあげて本を遠ざける。


「慧、先生来ちゃったよ。ほら、」


は成績が伸ばしたいのでしょう?」


「ふえ?うん、そうだけど…。」


「そうですか」


にっこり。

今までにないほどの笑顔を向けて手を下ろした。

返してくれるんだな、と判断して無防備に慧に近づいて本に手を伸ばした、ら。


ひょいっ


「…ん?」


「俺たちが勉強を教えてあげましょう」


慧の声が近くで聞こえて(ついでに顔も近くて)周りを見渡して分かった。


「お、お姫様だっこ!?」


「はい」


「ちょ、慧!」


暴れてみても慧は笑顔のまま。

クラスメイトの視線がぐさぐさと突き刺さる(やーだー!!!)

先生もぽかん、と慧を見つめている。


「先生、さんは俺たちS・A全員の協力の元勉強の指導をしますので」


いいですよね?と有無を言わさない表情で先生に問いかけると先生は少し震えながらどうぞ、と呟いた。(先生ー!)


「さて、許可も下りたことですし、行きますか」


「行きますか、って下ろしてよーッ!」


「お断りします」


そう言って慧は温室まで向かい始めた。

温室に行く間、生徒や先生の視線が痛かったのは、言うまでもない。






それでも 神様、時間を止めて





赤くなる頬も高鳴る胸も。

表面上では嫌がってみても慧の傍にいれる幸せ。(このまま時が止まって慧とずっと一緒にいれたら、なんて馬鹿な考え)


(090310)




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S・A!!!!!

今ハマりまくってます(*´ω`)

初めは本屋で1巻を立ち読みしたことからなんですが。

まさかこんなにハマって本を買うとは思いませんでした。

大抵「これ面白いー欲しいなー」くらいで買わないことがほとんどなんですけど

S・Aは今14巻まで買ってますー。13、14巻昨日買ったばかり。(早く15巻買わなきゃ!)

どっぷりはまっちゃってついに手を出しちゃいました!

おちゃめな慧が好きです!

光も好き。竜も好き。芽も好き。純も好き。宙も好き。明も、ってかもう皆好き←

「足が長いので」とかいう慧が可愛い!本編からそのまま出してみたり☆

S・Aのテンションが好きです。

語り始めると長いのでここらへんで…。

続き書く予定…だってS・Aの皆出したいんだもん!←

もうすぐ最終回だなー寂しい(ぐすん)

ってかS・A更新してみてくださる方いらっしゃるのかしら(…)

ってかこの背景の色合いとか超好き!

ほあほあしてて可愛いッ

文字色も黒じゃ浮いてるから灰色にしたんですけど見ずらいですかね?

一応テーブルつけたら見やすいかなって思ったんですが…。