ずっと一緒に居ようって、小さい頃に言ってたね。
俺の彼女は、少し…いや、かなり忘れっぽい。
学校から自分の家までの帰り道を迷って俺に電話して呼び出されたときは
「アルツハイマーかよ!」
って叫んでしまったのを覚えてる。
そのときのの返事は
「あるつはいまーってなんだっけ?」
という間抜けな答え。(でも顔は真顔だったから本気で忘れてるんだと思う)
そのときからは忘れっぽいという情報は俺の頭の中に入った。
それからというものデートを忘れたり待ち合わせ場所を間違えたり。
でも俺が怒り気味でその事を指摘するとこの世の終わり、とでも言うような顔をして何回も謝ってくる。
悪気が無いと分かっているからいつもそこで許すけれど。
するとは「太輔に嫌われたらどうしようかと思った」と涙目で微笑んでくる。(それがすっごく可愛い)
だから今までも大半の事は許してきた。
それに、最初の頃に比べてちゃんとデートとか待ち合わせ場所にも来る様になったし。
――……でも、今日は、無いだろ…?
今日は6月、25日。
俺の誕生日。うん。確かにそう。
でも、只今の時刻……。
「23時40分…!?」
え、もうすぐ俺の誕生日終わっちゃうんだけど!!
なにやってんの!!
そう思いながらを待ち続けて5時間(やばくね???)
仕事終わってに電話とかする考えもあったけど、ほら、なんか催促するみたいだし…。
なのでを信じて待ち続けてるってわけ。
「はぁ……。」
北山たちからもらったプレゼントを横目で見て、半ば諦めた俺は北山に電話した。
『もしもし』
「北山?こないんだけど!!!」
『は?』
「は?じゃなくて!!!絶対忘れてるよ!!俺の誕生日!」
そう告げると電話から北山の嘲笑う声が聞こえた。(むかつく!)
『彼氏の誕生日忘れてるって…破局?』
「ち、ちがッ…!」
『ちゃんはお前に飽きて今ごろ違う男と一緒に居るんじゃね〜?』
「え!?いや…に限って…え、でも…」
『ブッ!!!!(反応面白すぎ!!!)』
「な・・っ人が真剣に悩んでるのに!馬鹿やろう!」
電話を切った後北山の言葉を思い出してますますテンションが下がる。
誕生日なのに、一番祝ってもらいたい人には祝ってもらえなくて、
たくさん、お祝いの言葉やプレゼントをもらったのに、心は晴れなくて、
それはきっと、いや、絶対が隣に居ないからで―……。
ピンポーン
そんな俺の心には不釣合いな音が部屋に響いた。
もしかして、もしかすると……。
「……。」
「太輔……ッ!」
そこには、息を切らしたが居た。
「今、今何時!?」
「へ?…あ、23時52分………。」
「本当?ゴメンね太輔!」
『忘れてた!』いつもの言葉が頭に浮かんだ。
きっとつい先ほど俺の誕生日を思い出し、急いできたのだろう。
別に来てくれたから良いけれど、少し寂しいものがある。
「良いよ別に…。忘れ「ケーキ作ってたら遅くなっちゃった!!!!」―…へ?」
「たんじょうび、だからケーキ作ってあげようって思って作ってたんだけど、
上手くいかなくて、結局さっきまで作ってたの…」
その言葉を聞いて、前にが「料理は何も出来ない」というのを思い出した。
「生地って、焼くの難しいんだね…。途中で材料無くなっちゃって何回も買い物に行ったんだぁ・・。」
よく見ると腕には火傷と思われる後もあるし、指も切っている。
「、手……。」
「あ・・・。焼いた生地取り出すときに火傷しちゃった・・。後フルーツ切るときに切っちゃって…。」
「あがって。消毒とかしないと!」
何もしてないままの傷だらけの腕は痛々しかった。
「た、たいすけ!」
腕をつかんで引っ張る俺を見上げて足をとめた。
「何?それよりも消毒…。」
「誕生日、おめでとう!」
気が付いたときにはの顔が目の前にあって、唇が触れていた。
―…不意打ちだ。絶対今の俺は顔が赤いと思う(恥ずかしい!)
「生まれてきてくれてありがとう…!これからもよろしくお願いします!」
俺に負けないぐらい顔を真っ赤にして微笑むは今までで一番可愛いと思った。
君に出会えたことを感謝します。
(だって、こんなにも嬉しい気持ちになれるから)
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藤ヶ谷君おたんじょうびおめでとう!
藤ヶ谷君の誕生日を目標にこのサイトを作り始めて、予定どうり完成できました!
これからも笑顔が可愛い、いっぱい喋り続ける藤ヶ谷君で居てください(笑)
管理人・曖