「の彼氏ってさ、犬みたいだよね」
友達に言われた一言のせいで、私は彼氏が犬に見えてきました。
昼休み、いつものようにと机をくっつけてご飯を食べる。
とは昔からの親友で、話も弾む。
「でさぁ、さっきの先生、」
「あ、分かる分かる!あれでしょ、先生ってさ、「ー!!!!!」
ぴた、と教室の声が一気に止まる。
そして一回入り口に視線が行って、そのあとの視線の行き場は私。
私がゆっくり入り口を見ると犬・・・太輔、が私に向かって手を振っている。
「・・・・・・・、でさ。その先生って「え、嘘!?無視?」
太輔の言葉に笑いが起きるけど気にせずにと話す。
「ねー、藤ヶ谷先輩こっちすっごい見てるんだけど。」
「ほっとけばいーのー」
ミートボールを食べながらに言い聞かせると太輔はちょこちょこと教室に入ってきて私の隣に椅子を持ってくる。(それ、玉森の椅子。)
「・・・何?」
「冷たくない?」
「別に・・・?」
「・・・冷たい」
太輔は少し不満そうに椅子に座る。
その後すぐに思い出したように購買で買ってきたであろうパンを取り出し頬張る。
「でさ、ちゃん!何の話してたの?」
いきなり話を振られたは口に入れてたご飯を飲みこんで咳き込みながら数学の先生の話を、と手短に答えた。
太輔はにこにこしながらあの先生鬘だよねー!と私に言ってくる。(ってかちょっと近い・・!)
私はそれをスルーしてに話を振る。
「・・・ー。」
「でさ、二階堂が・・・、」
「そりゃいけないでしょ」
「ーー」
犬がきゅんきゅん鳴くみたいに寂しげな声を出してパンを齧る。
その姿が可愛くて。可愛くて。
「・・・、」
仕舞いには私の制服の裾を掴んで引っ張ってくる。(ああもう本当に可愛い!)
こいつはどこの乙女なんだろうと心配になってきたけれどやっぱり可愛いことに変わりは無くて。(しかもパンくずが口元についてるし)
「ー・・・」
「(そろそろ相手にしないと)なーに?」
太輔の顔を見て笑ってあげると太輔は嬉しそうに顔を明るくさせて話し始める。
その姿は犬が尻尾を振って飼い主に駆け寄る様な感じで。
前世は犬だったのかな、と思っているとが小さい声でやっぱ犬。と呟いた。
「太輔、」
「ん、」
「パンくずついてる」
パンくずを指で取ってあげればえへ、と馬鹿みたいに笑ってありがと、って言う。
「太輔って犬みたいだね」
「犬?」
きょとん、とした顔で軽く首を傾げて私のあげた唐揚げを食べる。
「・・・じゃあは俺の飼い主かー」
なんだか嬉しそうに笑ってに俺たちお似合いー?とか心なしかにやけながら言う。
は面白そうにニヤニヤ笑って私を見る。
ちょ、調子に乗るからお似合いとか言わないでよね、!と目で訴えかければ笑って太輔のほうを見る。
「誰よりもお似合いですよー」
がそう言えば太輔は満足したように最後の一口を食べて私の腕を掴んで立ち上がる。
「は、何?」
「次の授業は?」
「、数学・・・!」
嫌な予感がしてまともな(ってか真っ先に思い浮かんだ)教科を口にすればはわざとらしく、
「やだ、次の時間は自習ってさっき話したじゃん」
って私に笑いかける。(腹黒・・・!)
太輔はさっきとは違う極上の笑みを見せて私を見る。(この笑みに騙されちゃいけない・・・!)
「本当?じゃあサボろっか!」
「やだ!」
「藤ヶ谷先輩、は腹痛で保健室ってことで」
「ほんとありがとーちゃん!今度奢る!」
「ありがとーございまーす」
「のばか!」
「いってらっしゃーい」
「いこー」
「やーだー!」
太輔があの笑みを浮かべた後にサボるだなんて言ったらただじゃすまない・・・!
「ー!」
「避妊だけは気をつけてねー」
「親友を見放すなー!」
「、いいじゃんー諦めも必要!」
太輔はにこにこ笑って私を引きずっていく。
途中であった北山先輩にがんばれ、って笑われた。
「犬だったら飼い主の言うこと聞いてよーー!」
(081206)
えっと、はい・・・。
うちの犬がほったらかしにしといたら袖を噛んで引っ張ってくるんで、
これで藤ヶ谷だ・・・!と思いまして・・・!
でもなんだか変な感じになっちゃいましたね
可愛くてしょうがない藤ヶ谷君を書きたかった・・・
曖