夏にスイカは必需品☆

「――…って事で、たっちゃん。スイカちょーだい!」

いっぱいいっぱいに腕を突き出して笑うはそりゃあとっても可愛いけどさ、
ドア開けた瞬間それってどうなの?

「…スイカ?」

「YES!スイカ!」

「…いきなり?」

「いきなり!」

「…なんで?」

「なんでも!」

いやいやいやいや、話進んでないよね?
確かに幼馴染で昔からの付き合いでもちょっと突然すぎるよ。
の思考についていけないんだけど。

「…とりあえず入って。」

「うん!」


「―…で?なんでいきなりスイカ??」

「夏休み=スイカ」

「で、の家にはなかったわけ?」

「お母さんが買ってきてくれないの!でもたっちゃんの所ならあるかなぁって。
夏休みなのにスイカ食べないとか駄目だよ!」

「・・・そう?」

「そう!」

…とりあえずはスイカが食べたくて俺の所に来たわけね。
スイカ目的で来たわけね。

「でも俺昨日食べたからもう無いよ」

「えぇぇぇぇええええ!?」

「(ショック受けすぎじゃない?)」

「嘘お!たっちゃん食べちゃったの!?なんで呼んでくれなかったの!?」

「そう言われたって…」

「たっちゃんだけが望みだったのに!わー酷―――い!」

「ご、ごめん…。(…あれ?俺謝る必要ある!?)」

「もーいーや!仁君とこ行く!」

「赤西!?」

「うん!仁君」

「駄目!」

「なんで?」

赤西は危ない!が食べられる…!!!!!!!!!!

「駄目駄目!」

「スイカあるかもしれないじゃん!仁君優しいからきっとくれるし!」

「(そのお礼としてが襲われそうだし!)…じゃあ今から買いに行こう?」

「…スイカ?」

「スイカ!」

「やったあ!ありがとうたっちゃん!!!」

にこにこ笑うを見てこれが最善策だなーとか思った。
近くのスーパーに言ってスイカを買った帰り道。

「たっちゃん〜」

「何?」

「毎年2人でスイカ買って2人で食べようね!」

「いいよ」

「やった!たっちゃん大好き!」

「俺も」

って言ったら両想いだ―とか言ってニコニコ笑ってた。
本当だって思ってないんだろうな。
でもまあ、来年もあるし、焦らず行こうっと。