ずっと一緒に居ようって、小さい頃に言ってたね。



 
「あぁ・・。この竜也かっこいい。この竜也も。
最後に会った時と髪形が違ってる。いつ切ったのかなぁ」

テレビの前で独り言を言うのはもうどのくらい続いているのだろう
最後に会ったのはいつ頃だったのだろう
最後にメールをくれたのは?
最後に電話をかけてきたのは?
最後に愛してるって言ってくれたのは?
考え出したら止まらなくって、涙も溢れてきて。
竜也が仕事で忙しいのは知っている
それでも前は一日一回は連絡をくれた
今はその連絡さえない。

それでも、いつ来てもいいように竜也の分もご飯を作っている私。
いつ来ても迎えられるようにずっと起きている私。
そのご飯は毎回ゴミ箱行きで、起きていても竜也にあげた合鍵が
使われる事は無くて。
何度別れようと思っただろう。
何度涙を流しただろう。


竜也との思い出を全て忘れて、竜也がくれた物全部捨てて、
他の人を愛せたらどれほど楽なのだろう。

メールで別れようと打ったメールは送られる事はなくて
竜也の電話番号を私の指は押そうとしなくて、
私の口から言った「別れよう」が竜也の耳に届く事はなくて
それができないのは紛れもなく私が竜也を愛しているからで、
まだ竜也の事を少しでも信じている私がいて、

そんな自分が憎くて、その反面そんな一途な自分を愛しいと思う自分がいる。

「たつ…や、あいたい。あいたい。」

竜也本人に伝えたい言葉。

「すき、だいすき、あいしてる」

竜也に言ってほしい言葉。

「たつ…やぁ……」

嗚呼。また眠くなってきた。泣き疲れちゃった。今日も竜也来なかったなぁ

ご飯・・。捨てなきゃ・・。




音がする。…嗚呼、夢見てるんだ。
鍵を開ける音だ。足音がする…。
誰?見えないよ…。




ぁ…。この声竜也だ。

「ただいま」

お帰り、竜也。ずっと待ってたよ
きっと神様が、こんな夢見せてくれたんだぁ。

「会いたかったよ。ずっとずっと、会いたかった」

唇に暖かい感触。・・幸せだなぁ。このまま夢、覚めなくてもいいなぁ
泣き終わったばかりなのに、また涙出てきちゃったよ。

「…あいしてる」

私も、あいしてるよ?ずっとずっと、あいしてる・・。



「…たつや…。」


「ん…」

夢、覚めなくて良かったのに覚めちゃった・・
幸せだったなぁ。

「ご飯捨てなきゃ・・」

現実はこんなもの。今日もご飯はゴミ箱行き。

「――…な、い……?」

テーブルにおいていたご飯。
綺麗にすべて食べられてる
その代わり、昨日はなかった紙切れ

「嘘・・だぁっ」

また涙が溢れてくるのを感じる
だって、夢じゃなかったんだね?
本当に来てくれたんだね?
この紙が証拠だよね…

へ。今まで本当にゴメン。今日は朝早いから
 に直接言えなかったけど俺,の事かわらず愛してるから。
 明日はオフだから2人で久々にゆっくりしよう?ご飯もありがとう。
 美味しかった!じゃあ、いってきます。 竜也  』

こんなに幸せだと感じたのは初めてかもしれない
嬉しい…。今日は飛びっきり料理に腕を振るわなきゃ・・。
はやく、あなたに会ってあいしてるって伝えたい…。




 貴方の事が大好きだから
(だから、こんなにも幸せになれる)