野球部のマネージャーになって早半年。
野球部の皆と仲良くなれたし、同じマネージャーの塔子とは親友って呼べる仲になった。
優也とも小学生の頃みたいに一緒に居るようになった。(まぁ、いつも他の誰かが居るけど)
でも私には気になる事が1つ。
―――半年前の、告白の返事をもらってない…!
塔子に相談したら「告白しなおせ」とか言われる。
でももう私にはそんな勇気は無い。
半年前のあの告白は勢いあまっていってしまった感じもあるし・・・。
「どうしよ…。」
「なんかあった?」
「んーいや、ゆーやに…って優也!!!!」
「俺が、何?」
きょとん、とした顔で問い掛けられても答えられない。(その顔可愛い)
「い、や……なんでもない!あ、これ飲む?」
「…?―サンキュー」
嗚呼。無理です塔子!もう告白なんて勇気出ません…。
「あー!疲れたニャ―!」
「湯舟君お疲れ様」
「ー!俺にもタオルくれよ」
「どーぞ!若菜君」
「あっちー・・・」
「優也。はいタオル」
「んー」
皆はタオルを受け取ってすぐ水道に向かった。
「あー、そうだ。明日先昼飯食ってて。」
「なんで?」
「あー、ちょっと呼び出しくらった?」
「そっかー。分かった!屋上いるねー(呼び出しって川藤先生かな?)」
その後私たちは家に帰った。
翌日
「あれ?、岡田は?」
「ん?優也ー?なんか今、呼び出されてるー。」
「へー」
「…おい、あれ…。」
「は?…あー!」
「馬ッ鹿!声でけぇよ!」
若菜君と桧山君が下見てなんか言ってる…。如何したのかな?
「おいどうしたんだよ?」
「え、いやなんでもねぇよ!」
「2人とも怪しい!何々?」
「バ…ッ見るなって…!!!」
――…2人が一生懸命隠そうとしてたけど見えちゃった。
優也。女の子と抱き合ってた。
女のほうはよくわかんなかったけどあの髪、あの服装、あれは間違いなく優也だった。
呼び出しって告白の、か・・・。
2人がすぐ隠したから一瞬しか見えなかったけど…。
「そ、っかぁ。優也彼女いたんだ…。私に言ってくれてもいいのにね」
あはは、と言う乾いた笑い声とは裏腹に涙が溢れてきた。
「…。」
「見間違いだって!岡田の彼女話とか聞いた事ねぇし!なぁ?」
「そ、そうそう!元気出せって!」
「ッ、いいんだよ…。私、べ…ッつに彼女とかでもないし…。優也に彼女が出来たんなら……っ、喜ぶべき、だよっ」
「――…?」
ドアのほうを振り向くと優也がいた。
「は?何で泣いてんの?!お前らなんかしたわけ?」
「違うよ…。優也に彼女が出来たから、よかったね…って思った…だ、けッッ」
「!?」
これ以上優也の顔、見てられないよ…。
走って走って、外に出た。
「…ッ!!!」
「…!!!っ、優也…。」
「ッハァ…。もしかしてさっきの見てたのか…?」
「うん…。」
「さっきの彼女とかじゃねぇよ」
「誰…?何で抱き合ってたの…?」
「あっちが勝手に抱きついてきただけだし。告られたけど断った」
「優也って女の子大好きじゃなかったけ…?」
「今は好きなやつしか興味ねぇよ」
やっぱり好きな人いるんだ・・・。
止まった涙がまた溢れてきた。
「お前以外もう興味ねぇんだよ」
「…え」
「俺の告白OKしたつもりだったんだけどな。」
「嘘…」
「嘘じゃねぇよ」
「俺、なんつーか、好きなやつには不器用だけど、…お前の事ちゃんと好きだから」
顔を赤くしてちょっと乱暴に袖で涙を拭ってくれた。
「信じられない…」
「って鈍感だよな」
いつもみたいに口角上げて抱きしめてきた。
「優也!?///」
「あー。ちょっと俺やべぇかも……」
もうお前以外見えてない
(そんな事言われたら離れられなくなっちゃうよ…?)(大丈夫、離す気ねぇから。)